ゴミ屋敷の現場は、腐敗物やカビ、害虫の発生により、通常では考えられないほどの悪臭が発生していることが少なくありません。この悪臭は、近隣住民とのトラブルの原因となるだけでなく、そこに住む人の健康にも深刻な影響を与えます。専門のゴミ屋敷片付け業者の中には、この悪臭問題に対応するための専門的な消臭・消毒サービスを提供しているところがあります。業者による悪臭対策は、単に芳香剤で臭いを覆い隠すのではなく、悪臭の元となる物質を根本から分解・除去することを目指します。まず、悪臭の原因となっているゴミや汚物を全て撤去することが最初のステップです。特に生ゴミや排泄物など、臭いの強いものを丁寧に取り除きます。次に、悪臭が染み付いた床や壁、家具などの表面を徹底的に清掃します。長年蓄積された汚れは頑固なため、業務用の強力な洗剤や特殊な洗浄機材を用いて、汚れと共に臭いの元を洗い流します。清掃が終わっても、臭い成分が空気中や建材の内部にまで染み付いている場合があります。そこで行われるのが、専門的な消臭作業です。一般的な消臭方法としては、「オゾン脱臭」や「次亜塩素酸水による空間噴霧」などがあります。オゾン脱臭は、強力な酸化力を持つオゾンガスを部屋に充満させることで、悪臭成分を分解する方法です。非常に効果が高い反面、オゾンガスは人体に有害なため、作業中は完全に無人にする必要があります。次亜塩素酸水は、比較的安全性が高く、ウイルスや菌の除去、消臭効果が期待できます。空間に噴霧することで、空気中の臭い成分や壁などに付着した菌を分解・除去します。さらに、ゴミ屋敷にはカビや細菌、ウイルスが蔓延しているリスクが高いため、悪臭対策と並行して、あるいはその後で「消毒作業」が行われます。床や壁、水回りなどを専門の消毒液を用いて消毒することで、衛生的な環境を取り戻します。害虫が発生している場合は、駆除作業も必要となります。これらの特殊清掃・消臭・消毒作業は、専門的な知識と機材、そして安全対策が不可欠です。
ゴミ屋敷片付け業者による悪臭対策と消毒